ジョージアン期の頃の アンティークジュエリーにこよなく魅了されている人たちもいらっしゃることでしょう。
まさにアンティークジュエリーとは時代の体験なのです。私達は、歴史をいろいろ学校で勉強したりしますが、本当にハダミで歴史を感じる瞬間にはそれ程遭遇するものではありません。
まさに、アンティークジュエリーとの出会いは、貴重な瞬間と言っていいでしょう。
ジョージアン期のアンティークジュエリーのありかた
ジョージアン期は、1760年代から1830年代まで産業革命が進んだ時期があり、経済が活発になったので、それ以前と比較して多くのアンティークジュエリーが作られるようになった時代ということができます。
しかし、ゴールドは、需要が一気に増えたにも関わらず新しい金鉱脈が発見されなかったので、金の価格が超高騰した時期でもあり、決してアンティークジュエリーにとって、満たされた環境が整っていたとはいうことができません。
ですから、ジョージアン期のアンティークジュエリーの特徴には、少ないゴールドで、どう見栄えのいいアンティークジュエリーを作ることができるかという特徴を見ることができました。
少ない金で見栄えのするジュエリーを作ろうとし、カンティーユ(フランス語の刺繍の意味)、粒金、縒り線などの金細工の技術が発達し、繊細精緻な美しいゴールドジュエリーが作られた時代なのです。
カンティーユのアンティークジュエリーに魅了されている人たちも多くいらっしゃることでしょうけど、これは、アンティークジュエリーの苦肉の策とも言うことができます。
抑制された優雅さ
アンティークジュエリーには、優雅さが存在
しているといういい方をしている人たちは多くいらっしゃるようですが、ジョージアン期のアンティークジュエリーについて言えば、実際に優雅さというのではなく、抑制された優雅さといういい方が正しいのではないでしょうか。
それはまだまだジュエリーが貴族またはそれに準ずる上流階級の美意識の高い人たちのアンティークジュエリーだったからです。
ただ単に優雅というのでは、いずれ日常という言葉にもシフトとし、アンティークジュエリーとして、それ程魅力を放つものではなかったのかもしれません。
優雅とは、特別階級に限定されて、抑圧、制限を受けるものゆえ、手に入れることができない人たちがこの上なくあこがれる存在となることができます。
優雅とは、非日常であり、非凡だからこそ、ここに熱い視線が注がれるのです。